松永 理恵 ゼミナール
研究課題
人間科学専門ゼミナールⅠ
「認知心理学,特に音楽認知」
人間科学専門ゼミナールⅡ
「認知心理学,特に音楽認知」
研究内容
本研究室は,音楽を中心とした認知心理学の研究室です。本研究室の目標は,2年間のゼミナール及び卒業研究を通して,人間の音楽認知機能のメカニズムを科学的に理解することにあります。
私の専門研究は,音楽の認知心理学です。例えば,目の前にピアノの鍵盤があるとします。そのピアノの鍵盤をたたいて作り得る音の並びは無数に存在します。ですが,私たちはその全てを“音楽”として認識するわけではありません。ある音の並びは“音楽”として,別の音の並びは“単なる音の羅列”として認識します。このような区別は私たち聞き手の心(脳)が行っています。では,私たちは,心内(脳内)において,この区別をどのように行うのでしょうか。また,どのような音の並びを“音楽”として認識するのかは,文化の異なる聞き手の間で同じでしょうか,違うのでしょうか。同じ文化でも,大人と子どもでは音楽の認識の仕方に違いがあると推測されますが,それはどのように異なるのでしょうか。音楽の特別な教育訓練を受けた音楽家とそのような教育訓練を受けていない一般の聞き手では,音楽の認識そのものに違いはあるのでしょうか。さらに,音楽は言語と同じく生得的な制約を受けた認知活動と考えられていますが,音楽の生得的な制約とはどのようなものなのでしょうか。私は,これらの疑問に興味を持っています。
本研究室の中核的なキーワードは『音楽』ですが,それと共に,『言語』,『知識』,『学習』,『Nature or Nurture』も重要なキーワードです。ごく大雑把に言えば,本研究室は,音楽を通して,人間が知識をどのように獲得していくのか,その仕組みを探究することを目的とした研究室だと捉えてもらっても良いと思います。
指導方針
- ゼミナールⅠから卒業研究までを継続して履修することを原則とします。途中の新規加入については,基本的に受け入れません。
- ゼミは時間厳守です。連絡もなく遅れてきたり,休む学生には厳しく対応します。
- 基本的に,火曜日の午後(3-6限目のいずれか)にゼミを開講します。これらの時間と重なる講義を履修する予定にある学生は本ゼミの履修が難しいと言われる場合もありますので,気をつけて下さい。
- 本ゼミナールでは,ゼミ生の人数に合わせて,各自が好きな研究テーマを自由に選ぶ年度と,私の方から研究テーマを与える「プロジェクト型」の活動を行う年度があります。
- ゼミナールでは,日本語と英語の学術論文の講読を行います。また,音楽理論や言語学の基礎知識を自主的に学ぶ必要があります。
- ゼミナールⅠ,Ⅱどちらもパソコンが必要となりますので,各自で準備してください。
- 心理学実験や調査はヒトを対象に行いますので,他人に対する礼儀や細やかな対応を求めます。
- 実験や調査を行いますので,得られたデータに対して統計分析を行います。数学が苦手でも構いませんが,認知心理学は科学ですので,基本的な科学的スキルが求められます。
教員より新ゼミ生へ一言
ゼミは主体的に参加をしなければ何も面白くありません。主体的な参加を求めます。
選考方法
①ゼミの志望動機,②興味のあるテーマ,③音楽認知の研究を志望する場合は自分の音楽経験歴(楽器演奏経験など)を記した志望理由書を提出して下さい。
応募者が多数の場合は,本研究室の専門研究とのマッチングを考慮して,選考を行います。