吉澤 達也 ゼミナール

研究課題

人間科学専門ゼミナールⅠ
「知覚心理学と色彩心理学1」
人間科学専門ゼミナールⅡ
「知覚心理学と色彩心理学2」

研究内容

 対象を知覚することは人が日常生活を行う上で必須の行動です.どこか行って,何かを行う.たとえば,歩いている時に見ている景色は眼の網膜という部分で感じた光の情報が処理され,景色の流れる速さや向きを「知覚」することで,私たちは適切に目的地へ進むことができます.その時に観察している様々な対象が,どのようなものであるかを知覚することも,適切に目的地へ進むために必要な情報(たとえば,標識など)です.このような人が持つ重要な「知覚」という機能について,より関心を深めることがこのゼミナールの目標です.

人間科学専門ゼミナールⅠ

 “もの”の重さや大きさ,形は,誰が測定しても同一の“もの”に対しては同じ測定値が得られます.測定器が異なっていても,結果は同じです.しかし,形の見えはその向きによって異なって感じられます(下図参照).2つのテーブルは同じ形ですが、テーブルの向きによって形が異なって感じられる例です。
 また,お店で見た赤い洋服とカタログで見た同じ赤い洋服の色が,同じ赤とは見えないことがあります.色の見え方は人や環境が異なると変わることが知られています.
 このような私たちの「知覚する」という仕組みについて基礎的な知識を学び,それらをもとに自ら興味のあることについて考え,実験・調査を行います.


人間科学専門ゼミナール Ⅱ

 人間科学専門ゼミナールⅠで得た知識や経験をもとに,より明確な目的のある実験を始めます.下の図におけるチェッカーパターンにおけるA とB は異なる明るさに感じられるますが,実際は同じ明度です.このような錯視の起きる仕組みについて精密な実験で明らかにします.また,同時に,専門的な文献を読む練習します.

指導方針

 人間科学専門ゼミナールⅠでは「知覚心理学」及び「色彩心理学」についての基礎知識の概要を説明した後,それらをもとに各自の興味がある事柄について調査を行います.
 どのようなテーマについて調査を行うかは,テーマ選定の際に様々なアドバイスをもとに各自が自発的に決定します.また,調査を進める上で,「知覚心理学」及び「色彩心理学」以外の知識や技術が必要な場合には,その都度,指導します.たとえば,調査結果を解析するための統計学的知識などは,適宜,学習や習得のためのアドバイスを行います.
 以下,各ゼミナールでの大まかな運営日程を示します.(ただし,進捗状況により変更もあります)

<人間科学専門ゼミナールⅠ 運営日程>
第1期(1〜14週): 知覚心理学及び色彩心理学の基礎知識(概要)について学習
夏休み: ゼミ合宿
第2期(15〜26週): 文献調査の方法の習得,発表・報告資料の作成技術の習得,プレゼンテーション
技術の習得,調査テーマ選定
第3期(27〜28週): 調査,及び,調査結果の報告・討論
   
<人間科学専門ゼミナールⅡ 運営日程>
第1期(1〜14週): 知覚心理学及び色彩心理学の基礎知識について復習と研究テーマの選定
夏休み: ゼミ合宿
第2期(15〜21週): 実験/調査
第3期(21〜28週): 実験または調査結果の報告・討論
   

教員より新ゼミ生へ一言

  • 私たちの周りには沢山の不思議で,興味深いことが存在しています.自分が興味を持つことができるものを探し,それらについて考えてみましょう.その「ワクワクする」気持ちを持って,充実した楽しい時間を過ごすことができる学生生活を送ることを期待します.
  • 責任を持った行動ができることを期待します.

ゼミ生からの一言

  • ゼミは楽しくて,とても勉強になった.
  • 知覚や色覚について専門的な知識を学べるだけでなく、ゼミ生と先生が和気藹々と過ごしていて楽しいゼミです!
  • 知識のない分野の勉強で,理解することが難しい内容もありますが,先生の丁寧な解説のおかげで 楽しく学ぶことができます.何も知識がない状態でも一から教えてもらえるし、雰囲気もとても良 いゼミです!

 

選考方法

 できる限り志望者を受け入れますが,志望者多数の場合は志望理由書をもとに選考を行います.