平井 誠 ゼミナール

研究課題

人間科学専門ゼミナールⅠ
「地理学的考察の方法と実践Ⅰ 」
人間科学専門ゼミナールⅡ
「地理学的考察の方法と実践Ⅱ」

研究内容

人間科学専門ゼミナールⅠ ・Ⅱ

 突然ですが、皆さんの出身地はどこですか?どんな所ですか? 自分の出身地についてどのくらい語ることができるでしょうか。「何の特長もありません」と答える人がいるかもしれませんが、それは本当でしょうか。一つの地域があれば、そこで観察される自然現象(地形や降雨、土壌の性質など)、そこに暮らす人々、そこで行われている経済活動や文化など、様々な点で地域には特長があり、それが地域の個性(地域性)を作り出しています。

 例えば、現在日本では人口の少子高齢化が大きな社会問題となっていますが、この問題は日本全域で同じように発生しているわけではありません。少子化に限ってみても、東京や大阪のようにそれが極度に進んだ地域とそうではない地域があります。つまり、空間的な差異、地域性が存在しているのです。地理学は、こうした地域性を見出し、それがどのように生じたのか、どのような意味があるのかを考察する学問です。決して、地理的情報を暗記するだけではないのです。

 このゼミでは、地域性を理解するために必要となる地理学的考察の方法を学び、地表面で展開する様々な現象を地域・空間という視点から考えます。もっと単純に言うと、最初の質問―「出身地の特長は何ですか」―に答えるための考え方や分析手法を学びます。

指導方針

  • ゼミの基本は、メンバーが顔を合わせて議論することだと考えています。その意味で、出席(教室に来るだけでなく議論への参加)を重視します。
  • 地理学では、フィールドに足を運んで自分の目で観察・調査すること(巡検)を重視します。このゼミでも、休日や長期休暇を利用して巡検を行います。その際、旅費などある程度の出費が必要となります。(行き先や日程は、ゼミ参加者と相談の上決定します。)
  • 地域性を探る上で、観察した事柄を地図に示すことが重要です。地理的データの分析および地図表現も、学びます。
  • ゼミⅠでは、人文地理学に関する基本的なテキストや雑誌論文などを購読し、地理学の考え方、分析の手法、地図の活用について学びます。さらに後期終了後に2泊3日の巡検を行います。これまでの訪問先は、神戸、長崎、沖縄、下関、松山、福岡、北九州、奄美大島、佐世保、敦賀などです。
  • ゼミⅡでは、各自で調査テーマを設定し地域調査を行います。前期に調査テーマの設定と調査内容の決定、夏休みに3泊4日の現地調査、後期に調査結果の分析・まとめを行います。これまでに仙台市、宇都宮市、草津町、松本市、松山市、岡山市、出雲市、箱根町、八戸市などで行っています。

#感染症の影響で巡検(学外実習)を行うことができない場合,専門書や論文の講読を通じて地理学の研究成果や分析手法を学びます。

教員より新ゼミ生へ一言

 私は、高校時代は理系コースに所属し、物理学を学ぶつもりで大学に入学しました。大学の物理学にまったく歯が立たず専攻を変えたのですが、大学で学んだ地理学は暗記科目というイメージと全く違うものでした。高校時代に地理を履修していなくても(やる気さえあれば)全く問題ありません。興味を持った土地を訪れて現地の様子を観察したり、様々な指標を使って分析したりしてみると、地域のもつ様々な個性が見えてきます。地域の個性を考える地理学を、皆さんと一緒に楽しみたいと思っています。

現役ゼミ生より一言

  • 地理が今まで嫌いだった人も全く問題ありません。地理は意外と自由な学問です。基礎的なことからはじめて自分の興味のあることを学んだり探したりしてください(e)。
  • 現地調査に行く前に行う事前調査が大変!でも、どちらも自分のためになります。(m・n・s)
  • 他学部から参加して、地理のことが分からなくてもみんなで意見を交換しながらやるので仲良く自由にゼミを楽しんでいます。(s)
  • 「巡検」というと固そうなイメージがありますが、自分の設定したテーマを自分で調査するのでとてもやりがいがあります。がんばった分、夜にみんなで楽しむ食事(&お酒)は格別においしいです!(m)

選考方法

ゼミ説明会時に説明します。