近藤 宏 ゼミナール

研究課題

人間科学専門ゼミナールⅠ
「他者を知り、他者と考え、ともに暮らす社会Ⅰ」

人間科学専門ゼミナールⅡ
「他者を知り、他者と考え、ともに暮らす社会Ⅱ」

研究内容

 社会は、同じ立場や特徴、起源をもつ人の集まりというわけではありません。互いに異なる立場にあり、別の経験をしてきた、している人が集まり、成立しています。また社会生活は、さまざまな人間以外の生命なしには成立しえません。そうしたさまざまな立場や背景の違いから生じるすれ違いや摩擦、緊張、衝突がいたるところに存在しており、他方で、違いから生じる学びや豊かさもあり、そのようななかをわたしたちは生きています。そうしたなかでしばしば、異なる立場が否定・否認されることがあります。しかしそれでは、うまくいきません。他者がいることを前提に、他者とのかかわりを深く考えることが必要になります。

 このゼミでは、自分( たち) とは異なる人びとや異なる存在について知ることを通して、「社会」を考えることを学びます。そのためには、自分の経験、常識、価値判断に縛られず、調べて初めて知った事実や人びとによって語られたことを受け止め、考えることが必要になります。このゼミでの学びは、そのような考え方を身につけることにあります。具体的には、ゼミナールⅠでは、文化人類学や地域研究、民族誌・生活史の文献の講読・議論を中心に進め、ゼミナールⅡでは、その学びをもとに、参加者各自の関心に従い、具体的にテーマを定めて、研究活動を進めます。

 対象となる「社会」のスケールは、国際社会でも、日本社会や別の国の社会でも、地域社会でもありえますが、その点については参加者の関心とすりあわせながら、進めることを考えています。

指導方針

  • ゼミは学生主体の学びの場です。自分の考え、疑問、理解をほかの人に対して示すこと、また、ほかの人の考え、疑問、理解を通して、自分の考えを見直し磨いていく学びの場となるよう、積極的に参加しましょう。
  • ゼミでの議論は、たとえば肯定派と否定派のような、明確な立場の違いを前提にして、その違いに終始するディベートではありません。細かな違いを大事にし、意見を交わし互いの考えを深めていく仕方を身につけましょう。
  • 大学生として自分の考えを練り上げてゆく方法のひとつに、学術書をはじめとする文献の講読があります。ゼミでは、文化人類学をはじめさまざまな文献を読み、議論します。
  • 自分の考えや疑問点を示し、調べたことをまとめるには文章を書くことが必要になります。ゼミでは、レポートをはじめ文章の書き方も課題を通して学びます。
  • 自分の知らない場所、時代、経験について考えるには、さまざまなかたちで調べることが必要です。資料、文献や映像、現地調査やインタビューなどをつかう調べ方についても学びます。

教員より新ゼミ生へ一言

このゼミは2021年度に初めて開講されます。よいゼミナールの進め方を一緒につくっていきましょう。

選考方法

ゼミで学びたいことについて簡単な文章を書いたうえで、選考会に参加をして下さい。