応用実験心理学分野
「人」の感覚や認知に関する専門的研究を基盤に、安全で快適な生活環境設計を担う人材を育成。
世界一の少子高齢社会を迎えたわが国では、すべての人が安全で快適な質の高い暮らしができる社会、安心して心豊かに生活できる社会の再構築が急務です。単に施設や設備を整えるということではなく、「人」を主体にした物づくり、環境づくり、街づくりが求められています。企業における安全性、生産性、疲労を考慮した環境整備、知的労働を支援する環境のあり方、住宅におけるプライベート・スペースのあり方、疲労や緊張を緩和する団らんのための環境のあり方、快適性と利便性を支援する街づくり等々、急速で多様な現実社会の変化に適合する生活環境の設計を担う人材が強く求められています。
この現実社会の要請に応えるために、「見る」「聞く」「触る」といった感覚・知覚・認知心理学に加え、医療・福祉、生理学、人間工学やブレイン・インターフェースに関する知識も修得した上で、「幸福感」や「生きがい」を実感しつつ、健常者と障がい者が共に快適な生活を送ることができる環境、人に優しい生活環境についての新たな方策を提言できる人材を育成します。
本分野には、オリジナルな触覚装置、行動解析装置、眼球運動測定装置、色彩研究装置など高度で先端的な機器備品が備えられています。この充実した研究環境を活かし、人の知識情報システムに関する基礎的研究、医療・福祉に関する研究、バーチャル技術を使った感覚間の統合に関する応用的研究を指導します。博士前期課程では、応用研究に特に力を注ぎ、企業における環境の評価法、産業・交通の諸問題、「障がいのある人」や「高齢を迎えた人」の認知特性の解明およびその支援、生活の質(QOL)などの環境評価法を指導することで、高度職業人を育成します。また博士後期課程では、自立した先端的研究者の育成を図るため、創造性豊かな研究・開発能力、プレゼンテーション能力、研究論文など成果発表能力を磨きます。
研究者を目指す皆さんはもとより、すでに社会人として企業の製品企画部門や研究所、地方自治体や官公庁、医療・介護福祉施設などに勤務した経験から再学修の機会を求めている皆さんや、留学生の皆さんの入学を歓迎します。
教員紹介
専任教員(演習担当)
吉澤 達也
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研究課題・業績運動知覚メカニズムの解明, 色覚情報処理, 視覚モダリティの統合
担当科目知覚情報心理学特論、人間科学事例研究Ⅰ・Ⅱ、人間科学特別研究 ほか
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前原 吾朗
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研究課題・業績輝度コントラスト知覚,両眼視,知覚学習,視覚情報処理に起因する症状や障害(片眼弱視や読み書き困難など)
担当科目心理学実験法特論、人間科学事例研究Ⅰ・Ⅱ、人間科学特別研究 ほか |
松永 理恵
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研究課題・業績音楽の認知過程とその脳内処理過程の解明
担当科目知識構造特論、人間科学事例研究Ⅰ・Ⅱ、人間科学特別研究 |
兼任教員
五十嵐 由夏 |
応用心理学特論Ⅲ |
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伊藤 博晃 |
応用心理学特論Ⅰ |
請園 正敏 |
応用心理学特論Ⅳ |
中野 泰志 |
応用心理学特論Ⅱ |
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