神奈川大学 人間科学部 人間科学科 スポーツ健康コース ゼミ紹介

笹川 俊 ゼミナール
(バイオメカニクス・神経生理学)

ヒトの脳は宇宙で最も複雑な構造物

主な研究テーマについて教えてください。

ヒトの動きや力の解析を通じて、脳・脊髄・筋による身体運動の制御について探求し、医療・リハビリテーション・スポーツの現場に応用可能な理論の構築を目指しています。本ゼミでは、立つ・歩くといった基本的な動作から、走る・跳ぶ・投げる・泳ぐといったダイナミックなスポーツ動作まで、幅広い動作を研究対象としています。特に運動の「神経」制御について興味がある人におすすめのゼミです。

指導方針について教えてください。

このゼミでは、問題を発見する能力(文献研究)、問題を解決する能力(実験・解析)、研究成果を人に伝える能力(プレゼンテーション)を伸ばすことに主眼を置いています。これら一連の能力は、研究だけでなく、あらゆる知的生産活動に共通するエッセンスですので、本ゼミで培った能力は、将来どんな職に就いてもきっと役に立ちます。

他のゼミにはない特徴を教えてください。

実験系のゼミなので、モーションキャプチャーシステム、フォースプレート(床反力計)、筋力計、筋電計など、最先端の機器を使った実験をすることができます。また、指導教員が「バイオメカニクス」や「身体計測と情報処理」などの授業を担当しているため、これらを合わせて履修することにより、研究テーマについて力学的に深く探究したり、コンピュータプログラムを作成して高度なデータ解析を行ったりすることも可能です。また、夏のバーベキュー、冬のスポーツ大会など、学年の枠を越えたイベントも沢山用意されています。

神奈川大学を受験する高校生や在学生へメッセージをお願いします。

ヒトの身体は筋肉が動かしていますが、その筋肉を制御しているのは、脳・脊髄などの神経系です。ヒトの脳には、千数百億個の神経細胞(ニューロン)があり、さらに個々のニューロンが数千から数万の他のニューロンと複雑な神経ネットワークを形成しています。「ヒトの脳は宇宙で最も複雑な構造物である」と言われており、そこにアプローチするのはなかな難しいのですが、その分、挑戦のしがいのある研究対象です。中高生には、三角関数や微積分、古典力学など、将来何の役に立つのか分からずに数理の勉強をしている人も多いと思いますが、ひとたび運動制御研究の門を叩けば、これらが自分の興味を探求するのに役立つ実学であることが実感できると思います。